企業インタビュー企画 vol.2 株式会社コーチ・エィ 執行役員兼エグゼクティブコーチ内村さん 執行役員兼採用責任者戸田さん

2016/03/28

コーチエィ様1


「コーチング」という言葉は、日本でも最近よく書籍やセミナーなどで目や耳にします。ただ、実際「コーチングとは何か?」と聞かれると、どのように説明したらいいか戸惑うことも。
ずばり内村さんにまず伺いたいのは、「コーチング」とは一体どのようなものなのでしょうか?

内村さん
「よく頂く質問ですが、質問として答えるのがとても難しいですね。

あえて言葉にすると、“自分がどうなりたいのか、何を実現したいのか”という自分のやりたいこと、目標と、“そのために、いま何をするのか”という目標を達成するための行動を、対話を通じて明確にしていくプロセスでしょうか。

コーチングを通してその人のやりたいこと、想いが引き出されてくる、というイメージなのでしょうか?

内村さん
「そうですね。イメージとしては、とても人との関わりの純度の高い仕事になると思います。純度が高い、というのは、自分とクライアントの間にはサービスも製品も制度も何もないという意味で、人と人しかいない純度の高さということです。目の前にいるのは人でしかない、というのが最大の特徴ではないでしょうか。
自分とクライアントしかいない空間の中で、対話を通じて想いや言葉を引き出していく仕事、行動や人との関わりなどにおいて、何かの変化やチャレンジを起こすのがコーチングだと思っています。
つまり、クライアントの意識、覚悟、在り方、行動等が、コーチングを通して変わっていく過程を間近で見ることができる仕事であり、私にとってはそれがとても面白く、魅力であると感じています。
知識やスキルを高める作業ではなく、クライアントと一緒に、クライアントの未来を探索していくような感覚に近いですね。

純度の高い人の仕事、というキーワードはすごく分かりやすいです。具体的に内村さんがクライアントさんからいただいた言葉やエピソードを教えていただけますか?

内村さん
「ある案件で、その会社のグローバル人事のトップから‘彼(内村さんのクライアント)はものすごい魅力と可能性をもっている、コーチとして彼の可能性を解き放ってほしいんだ‘と言われたことがありました。
実際にコーチングのセッションをしていく中で、彼のやりたいことは明確になるのですが、なかなか行動に移せないということが当初はありました。

それが、最終的には行動に移すための「覚悟」が決まっていくような意識のシフトが生まれてきたのです。それまでは、「部下が反対をして・・」など、自分が前に進めない、あるいは行動しない理由、言い訳を言っていたのが、自分に何ができるのか、部下をどう巻き込んでいくのか、覚悟を決めるに従い、自らが行動するように変化していきました。彼自身の力で壁をよじ登り、未来を切り開いてゆく、そんな新たな可能性が広がっていくように感じました。

別の案件では、次期社長候補になるクライアントとのコーチングで、「内村さんとは、社内で誰とも話せない話をしている」と言われたこともあります。
頭の中でなんとなく思っているだけではなく、自分の言葉で話してみて初めて、自分の本当にやりたいことや考えていることを自覚し、整理できることがあるということなんですね。

そうしたことは、必ずしもその対話、その時間の中だけで変化が生まれるわけではなく、次回のセッションまでの「対話と対話の間」で変化が起きたりするところも面白みの一つです。
コンサルティングやティーチングと最も異なるのは、コーチが直接正解を示すということではなく、クライアントが主体的に自ら変わるきっかけをつくるために「質問をする」という点です。クライアントが考え、自分の言葉にするためのきっかけ、つまり「質問による対話」によって目標達成を支援しているのがコーチという仕事の魅力ではないでしょうか。

内村さんはセッションに臨まれる前に何か‘こういう変化が起きたらいいな’とか‘こういう方向にしていこう’というように対話に向けての事前準備などはされているのですか?

内村さん
「まず、コーチがすること、しないことを始めに説明して合意してもらうプロセスを必ず踏んでいます。コーチが担う役割、関わり方を事前に理解していただいた上で一緒に対話を進めていくイメージです。
コーチとして、クライアントの目標達成を全力でサポートすることをお約束しますし、その中でクライアントが自ら考え成長することを支援するために、ティーチング、アドバイス、指示などはしないこともご説明します。

その上で、コーチとしては‘物事がこうであろう、こうあるべきである’というような自分自身の固定観念や価値観をいかに手放し、解放されるか、という部分がすごく大切だと思っています。
クライアントと一緒に可能性を探求していけるようなコーチでありたいと思っています。

続いて、企業の文化や社風、コーチ・エィらしさについてもお聞かせください。
まず、貴社には「シェアする、すぐやる、なりきる、とことん愉しむ」という行動規範がありますよね。

戸田さん
「コーチ・エィは97年創業と、歴史はかなり長いのですが、創業時から伊藤(現会長)が言い始めて以来、ずっと大事にしている行動規範・ポリシーになります。

「シェアする」は、自分の考えや感じたことを外に発信して、他者との関係性を創っていくということを大事にしていこう、という意味合いになります。
自分の意見や考えを言う、という「自己を開く」という意味もありますし、例えば採用場面では社員紹介を奨励しているのも、シェア=開かれた状態ということだと思っています。
会議が終わったあとにも、必ず何を考えたのか、どう思ったかを参加者全員が互いに言い合うという文化があって、一人ひとりが感想を言う習慣、まさに「シェアする」は日々行われていますね。

内村さん
「僕も転職をしてから、自分がファシリテーションをしている会議の最後に‘では感想のシェアをお願いします’と言ったら‘おーお前もコーチ・エィの一員っぽくなったな!’と言われたのを覚えています」

戸田さん
「すぐやる」は言葉通りそのままなのですが、自分ですぐにやってみることで人生において手に入るものは大きい、ということを指しています。

続いて「なりきる」は100%その役割を全うしよう、という意味。
コーチ・エィでは、アサインメントといって、役割をいきなりふられることがあるのですが、
いったん役割を与えられたら、自分のエゴやプライドは横に置いて、まずはなりきって、やり切ってみる。その役割を全うするなかで、自分の新たな可能性が広がったり、周りに良い影響を与えられたりすることがあると思っています。

さきほど、内村さんからもコーチにとって大事なことの中に固定概念や自分の価値観を捨てる、というお話がありました。「なりきる」はコーチング場面においても、コーチ・エィらしさとしても、一つのキーワードのような気がします。

戸田さん
「そうですね。内村は、変なものになり切る、ということも得意です(笑)例えば社内のパーティーで仮装するとか(笑)。
「パーティを盛り上げる」という急なアサインメントがあることで、必死で準備をしないといけないのですが、自分がやりたいことだけでなく、自分のロールを得て、それになりきるということが、新たな価値やその人の可能性につながることが絶対にあると信じています。

「とことん愉しむ」もこの延長で、どうせ「選ぶ」のであれば、とことん愉しむを選ぼう、ということです。
選ぶのは自分自身であり、選ぶ意識によって、手に入れられる可能性も未来も変わると思うんです。

お話を伺っていると、コーチ・エィの皆さんは愉しいことが大好きで、人好きな人たちが集まっているんだろうなと感じます。

戸田さん
「新しく入ってきた方は、うるさいくらいに周囲から話しかけられる、という風に表現する人が多いですね(笑)。新しい人が入ってくると、どんな人なんだろう、と興味が湧くのでつい話しかけちゃうんですよ」

内村さん
「そうですね。私はこの会社は「そこにあなたがいる」ということをすごく大事にしている感じがしていますね。
前職であれば、自分がいかに価値のある人間かを周りにアピールすることに随分エネルギーを注いでいたと思うのですが、コーチ・エィに来てからは、素の自分でいいんだ、肩ひじをはらなくていいんだ、と、なにか鎧がすーっと取れた感じがしていて、先ほどの4つの行動規範の話もそうですが、コーチ・エィに転職して新たな自分を発見したという想いが強いです。
少なくとも ‘これをやったら何か言われるかな・・’というような恐怖心は全く感じなくなりました。

戸田さん
「伊藤(会長)が言い続けている言葉の中に「あなたはどこかでそのままの自分の価値に気づく必要がある」というものがありますが、今日の内村の話からも、それが今のコーチ・エィの風土、らしさや文化につながっているのかなと感じられ、私自身も嬉しくなりました。」

この4つの行動規範は人事評価等にも反映されているんでしょうか。

戸田さん
「評価軸はパフォーマンスとバリューの大きな2軸になっています。業績はパフォーマンスとして、会社への貢献はバリューとして先ほどの4つの行動規範に沿ってどのような行動・ふるまいをしていたか、影響を与えていたかに沿って評価しています。
基本的には日々一緒に仕事をしている上長が評価をするのですが、コーチングの場合はプロジェクトも多く、常に上長が見ているわけではないので、一番近くで一緒に仕事をしている人からも評価をもらい、最後は上長がフィードバックするような形です。」

もう一つの貴社の特徴として、フィードバックしあう文化がある、ということも良くお伺いします。

戸田さん
「フィードバックをしあうことを取り立てて習慣化しているわけではありません。
ただ、コーチのトレーニングの中でロープレでフィードバックをしたり、相手からももらうようなことがあるので、人からのフィードバックに馴れていくということはあると思います。
ただ、感覚としてフィードバックをしあうというよりも、どちらかというとフィードバックを自分からもらいにいくようなことが多いですね。
普段の仕事でも、行き詰ったときに、「ちょっとコーチしてもらっていい?」とコーチを頼むということなんかもありますね。

フィードバックは「しあう」というよりも、「自分から取りに行く」ものなんですね。

戸田さん
「今自分がやっていることについて、これでいいのか・・と不安になったりすることってありますよね。そうするとすぐ聞きにいくということはよくあると思います。
今自分がやっていることについて、思っていることを聞かせてください、とか」

フィードバックのお話から、人への興味や関心レベルが、非常に高い方たちが集まっている会社なんだなと感じます。

最後に。内村さんに質問です。「コーチ」という仕事を通じて、内村さんが今チャレンジしたいこと、面白いと感じていることは何ですか?

内村さん
「そうですね。最近、営業としていろんなお客さまのところにいくと、みなさんが直面している課題は似通っているなと思うことがあるんです。
今は会社の中にいろいろな部門があり、機能が分離されているが、会社全体としてどう市場に価値を出すか、をみなさん仰っていて、いろんな試みをしながら苦戦されているんですね。
もっと自社の力を出していきたいのに、どうやったら出せるのだろうか、と悩んでいることが多い。

そういった想いに対して、エグゼクティブ層へのコーチングだけではなく、中間管理職へのコーチングも含めて、新しいものをお客さんと一緒に創っていけるのではないか、と感じています。

ただ単に個人の能力開発として、一人ひとりにコーチをつけるという発想ではなく、コーチングを通じて会社の風土が変わったり、可能性が広がったりするのではないか、会社の在り方そのものも変えていけるのではないかと思っているんです。

何かを解決するというよりも、お客さんが何かを生みだそうとしていること、それをコーチとして一緒になって生みだし、実現していく感覚ですかね。

コーチ・エィという会社についても同じで、まだまだこの先未知数で、どんな会社になっていくのか、どんな面白いことが生まれてくるのか、をメンバーとして考えていくこともすごく楽しいと感じています。

自分自身について言えば、どちらかというと好奇心旺盛でなんでもやっていきたいタイプなので、これからも仕事でも人生においても、楽しいことをしていきたいし、自らも起こしていきたい。なんというか、今人生に対して良い予感がしています。根拠はないですけどね(笑)」

(一同拍手)答えがない未知の未来を創っていくワクワク感、自分の人生そのものにも良い予感がしているというお話、なんだかこちらまでワクワクしてきました!

今日は、コーチ・エィという会社やコーチングのすばらしさをすごく感じることができましたし、このインタビューを読んでいただく方にも、それが余すところなく伝わればいいなと思います。
内村さん、戸田さん、本日は貴重なお時間とお話をいただき、ありがとうございました!

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